昨年のXmas一皿目の前菜。
毎年、一皿目はキャビア料理なので今年も同様に。
数年前、マッシモ ボットゥーラシェフが作ったレンズ豆をキャビアに見立てた料理を拝見し、土臭いモノとキャビアの組み合わせに好印象を感じたのがキッカケ。
最初はビーツと組み合わせて赤×黒の艶めかしい、夜な料理を考えていたけど、(個人的に赤×黒の配色は非常に惹かれ、耽美的だと思ってマス) 発想が単純で安直な気がした事。(どちらもロシア繋がり。という陳腐さで…)
またビーツにチョコレート。のひらめきにトキメいてしまった(去年の2皿目はビーツスープに削ったチョコ)ので敢え無く却下。
それよりもほうれん草の瑞々しさとキャビアのフレッシュ感に共通項を感じたので此処を軸にアイディア膨らます。また、卵のプチっと弾ける感じも瑞々しいほうれん草を更に瑞々しく、そしてポップに仕上がる気がした事も要因。
幾らキャビアが高いと言え、ほうれん草はお手軽過ぎるので加えるものは付加価値ある物、そしてほうれん草(の根)の優しい甘味と同じ様な軽く甘みを感じる食材として、甘エビやボタンエビと同様にボンヤリした甘味持つスカンピを採用。
(また、スカンピの和名がアカザエビと言う事とほうれん草がアカザ科(今はヒユ科アカザ亜科になっちゃったけど)と言うダブル浅野ならぬダブルあかざも採用理由。鬼滅のアカザは無関係だよ。)
比較的ここまでは容易に思いついたけど、テーマの
“巻く 包む”でアイディア難航。。。
最初はフュメ(魚のダシ汁)使って、透明で中が見える
シートを考えていたけど、何だかダサくて納得行かず…
ひと月くらい悩んでいたが、コース始まる二日前の出勤中ふと苺が閃く。
後は形にするだけでなので作業は容易。
細かな点で苺シートの厚さとほうれん草の火の入れ方と加熱時間を意識する。
苺は単体より乳製品と合わせる方が苺の酸味和らげ、甘味も生クリームの脂のお陰でコクが出てより苺らしく感じ、元の素材より素材らしく感じる方法と認識している。
またシートの厚さも主材を邪魔せず効かせる事考え2mm程度。ほうれん草は油を使った調理だと主張が強くバランス崩れるので瑞々しさを更に高める為ボイルを選択。
ほうれん草は多少灰汁を残した方が料理に無骨さ生じ、小さい料理ながらも存在感出せるかな?と考え茹で時間は短め。
提供する時は若干の土臭さを和らげる意味と苺との繋ぎの意味も込めて、お手製バニラオイルを数滴垂らしスカンピと共に苺シートで巻く。
ボトムの洋梨は2年前見つけた“ほうれん草と洋梨のサラダ”をヒントにしたのと、洋梨の芳醇な香りが
ほうれん草のバニラ香と苺の香りとの相性から。
更に1皿目なのでスッキリした印象与えたいのでレモンの爽やかな香りも付け加えております。。
この皿から始まるクリスマスコース。最後まで悩んだ甲斐あって評判は上々。
Ristorante Per Amor di Carissima
東京都国立市中1-10-32
Cube Kunitachi 2F
JR中央線 国立駅 nonowa口より徒歩5分
042-575-6803
営業時間
【Lunch】11:30~14:30(L.O13:00)
【Dinner】17:00~22:00(L.O19:00)
定休日
月曜 、 他不定休あり